そのほか 2018年01月31日更新

地域映像上映「時代劇になった伊達騒動」


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仙台藩における最大の政治的事件で、全国的にも知られた御家騒動でもある伊達騒動。江戸時代(万治3年/1660年)、伊達綱宗が三代藩主となってすぐ幕府の命令で隠居させられ、その後約10年にわたって続いた争いは、審問が開かれた大老・酒井忠清の屋敷における刃傷事件で幕を閉じます。その劇的な顛末は浄瑠璃や歌舞伎の題材とされ、多くの実録ものがつくられました(参考:『仙台市史』通史編4[近世2])。

それは現代の文学や映画にも引き継がれ、史実か脚色か、さまざまな物語を生み出してきました。このたび、地域映像資料として所蔵する映画フィルムから、その伊達騒動に題をとった二作品を上映します。

 

会期:2018年3月24日(土)

会場:せんだいメディアテーク 7階 スタジオシアター(仙台市青葉区春日町2-1)

入場無料

 

上映作品

10:30-12:10

『伊達騒動風雲六十二万石』

監督:佐伯清/原作:沙羅双樹『伊達騒動』/1959年/99分/モノクロ/16ミリフィルム上映

出演:大犮柳太朗(原田甲斐)/木村功(伊達綱宗)/薄田研二(伊達安芸)/大河内傳次郎(伊達兵部)/山形勲(酒井雅楽頭)/佐々木孝丸(片倉小十郎)

『昭和残侠伝』(主演:高倉健/1965年)などの佐伯清監督がプログラムピクチャー以前に手がけた時代劇のひとつで、戦前・戦後と数多くの時代劇で活躍し、晩年には『タンポポ』(監督:伊丹十三/1985年)など現代劇でも演じた大犮柳太朗が、その最盛期に原田甲斐に扮する作品。

 

14:00-16:20

『青葉城の鬼』 *上映後にトークあり

監督:三隅研次/原作:山本周五郎『樅の木は残った』/1962年/101分/モノクロ/35ミリフィルム上映

出演:長谷川一夫(原田甲斐)/高田美和(宇乃)/藤村志保(三沢はつ)/宇津井健(久世大和守)/成田純一郎(中黒達弥)/天知茂(柿崎六郎兵衛)/林与一(伊達綱宗)/加藤嘉(伊達安芸)

時代小説の名手・山本周五郎の代表作であり、それまで伊達騒動のなかでは悪人とされることが多かった原田甲斐を、自らを犠牲にして藩を救う主人公として描いた『樅の木は残った』(1958年)。それを原作とし、『座頭市』『眠狂四郎』などの三隅研次が監督、原田役には片岡千恵蔵らとともに時代劇のスターであった長谷川一夫。

*上映後、仙台市博物館学芸員の菅原美咲氏に、史実としての伊達騒動についてお話しいただきます。

略歴:菅原美咲(すがわら・みさき) 仙台市博物館学芸員。江戸時代の伊達家および仙台藩について担当している。2012年には「仙台藩の御家騒動 寛文事件を追いかけろ!」を企画。専門は近世社会史で、主に犯罪や悪党について興味がある。

 

*各回、開場は15分前を予定しています。


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