報告 2016年08月15日更新

細倉を記録した寺崎英子の写真アーカイブ:第1回活動レポート


昨年11月に寺崎英子さんから託された、大量のネガが入った箱。7月24日にせんだいメディアテークの皆さんと一緒に、やっと整理作業に着手しました。

まずは内容と数量の確認です。医療関係者にはおなじみのマーズレンS(薬品名)の缶。ネガを入れるのにちょうどいいサイズなので、私も使っていたことがあります。おそらくかかりつけの病院からもらって来たのでしょう。この他にも菓子箱が多数ありました。

箱の中は当然ながらネガ、ネガ、ネガ。そしてかなりの数のポケットアルバム。その他にビデオテープ(箱を預かる際に少し見せてもらったのですが、かなり劣化が進んでいます)、カメラのマニュアル、手紙、新聞の切り抜き等が入っていて、20〜30年前のタイムカプセルを開けている感覚でした。

そしてもうひとつ、今回のアーカイブの重要な資料となる、撮影ノートとメモ。小さいメモ帳と、普通のノート、そしてノートの切り抜きを綴じたものが一緒に入っていました。

撮影日に書かれたもの、しばらく時間が経過してから書かれたらしきものと、記載の方法はいろいろのようですが、細かく記されており、少し安心しました。ご本人に聞き取りをする際も、撮影時の記憶をたどる手がかりになるものと思います。また、撮影データの合間に、寺崎さんのそのときの心情が綴られている部分もあり、閉山していく鉱山や町への心の揺らぎが垣間見えるように思えました。

さて、大量のネガですが、カラーネガとモノクロネガがあります。寺崎さんが、どのような使い分けをされていたのかは、まだ分かりません。モノクロを作品として、カラーをプライベートとしてという可能性もあります。ざっと見ただけですが、細倉鉱山の閉山前後の数年にモノクロが多いように思うので、そのように感じるのかもしれません。

数量確認のために並べてみました。 

当初、ネガ袋に記載の数字から、全部で200本を超えるぐらいと思っていたのですが、どうやらそれはモノクロフィルムだけの本数だったようです。全て並べて数えてみると、モノクロネガ246本、カラーネガ140本、カラーポジフィルム1本でした。今後、全てのネガをスキャンして、デジタルアーカイブする予定です。そのため、ネガはそのまま預かってということになりますが、ポケットアルバムの写真だけは、寺崎さんの手元に置いてもらおうと思っています。

次回は、テストしたスキャン画像を見ながら、アーカイブの詳細を決定します。事前に告知しますので、「のぞいてみたい!」という方はぜひご参加下さい!

文・小岩 勉


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