2017年09月28日更新

「詩」コース成果発表


つづいて、ミラーボールのまわる会場へ場所を移し「詩」コースの成果発表会です。

「詩」コースの最終回で録音した受講生それぞれのラップを大きな音で空間に響かせます。

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まずは、齋藤真紬子さん。高校生活の中で孤高を貫く男の子を「狼」に、賑やかに集う女の子たちを「ミツバチ」にたとえた詩を書きました。

講師のHUNGERさんからは、詩の比喩のおもしろさだけでなく、歌いはじめのタイミングをずらすことで山場をつくる工夫が齋藤さんから持ちこまれた、と制作背景も語られました。

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2番手は、笠松芽依さん。普段からHIPHOPが好きでよくラップを書くという笠松さんは、トラックを1.5倍速にして歌いました。

書いた「詩」には、笠松さんの日常に実存する高級車でスーパーに出かける大人や、頑なに「ウクレレ」を「ホノルル」と呼ぶおじさんなどが登場します。

リズミカルに踏みつづけられる韻の軽快さが心地良い仕上がりです。

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3番手は、三宅珠佳さん。言葉の意味や起承転結から離れたかったという三宅さんは、本棚に並ぶ本の背表紙からランダムに言葉を抜き出して「詩」を書きました。

選んだトラックはもともとパーティーミュージックとして賑やかなシーンで用いられることの多い曲でしたが、三宅さんの「詩」と合わさることで、隠れていた不思議な雰囲気が引き出され、原曲に独自の世界観が与えられた、とHUNGERさんは評します。

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4番手は、百崎楓丘さん。最年少15歳の受講生です。1回の講義しか参加できませんでしたが、周りが驚くほどの集中力で「詩」を書きました。

「とうさん かあさん ごめんなさい」からはじまるドキリとする歌詞は、やがて「ここにない I(アイ)、つくりだす愛(アイ)」と自分探しへの旅の過程を辿ります。シンプルなようで実は歌いこなすのにテクニックがいる曲を選んだ百崎さんですが、思いをのびやかに声にしていくことで、素直に歌い上げました。

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ラストは、熊谷友紀子さん。録音したものもありましたが、マイクを握りしめライブで披露してくれました。

学校生活の不満や、大人への不信感など、文字で読むとじくじくする内容の歌詞ですが、韻を踏みながら曲にあわせて歌うことで、言葉が清々しい姿に変化します。

この変化こそが音楽のもつ魅力で、「詩」を「声」にすることの大切さがHUNGERさんから語られました。

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鷲田校長は、本来「うた」は川を挟んであちら側とこちら側から言葉を投げ合う中で生まれてきたもので、独特のパワーがあった。そんなふうに、言葉がパワーを持った形で現れ、「うた」の始まりに立ち会ったようで身震いした、と興奮とともに語られました。

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会場からの熱い拍手とともに幕を降ろした今年度の「青少年のための生きる技術としてのゲージツ学校」。

二ヶ月という短い期間でしたが、全力で取り組む受講生たちの姿に、講師をはじめスタッフの私たちも刺激される日々でした。

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再会を誓い合い、ひとまずの解散。

 

「青少年のための生きる技術としてのゲージツ学校」は来年も開校します。

また、お会いしましょう!

 

 

 


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