報告 2016年08月12日更新

「第5回参加者発表会」レポート


 7月2日(土)に「光を求めて―『波伝谷に生きる人びと』で描けなかった個人の物語―」と題し、我妻和樹監督が『光を求めて』を上映してくださいました。

 震災までの3年間、南三陸の小さな漁村の暮らしを追い続けた群像劇『波伝谷に生きる人びと』の姉妹編として制作された本作では、家や親族といった背景に連なるものから影響を受け、葛藤しながら地域の中で生きる一人の漁業者の姿が描かれています。震災は全く描かれてはいませんが、プライベートに肉薄した映像なだけに、そこに人びとのどのような喜びや苦悩があったのかも想像させる内容になっていました。

 『波伝谷に生きる人びと』というフレームが先にあるからこそ、より深く理解できる部分もありますが、それを抜きにしても「人が生きる」ということについての普遍的なことが描かれており、「この作品単体でも十分力があるので是非多くの人に観てほしい」といった声が寄せられました。とりわけ主人公の人柄と、逆境の中でもなんとかより良い方向へ向かおうとするその姿は、観る人に多くの共感を与えたようでした。

 監督からはこの作品が生み出されることになった経緯、今回初めて上映された経緯などについて話され、作品の背景についても理解を深めることができました。一つの地域の中に入り続ける中で、監督自身がどんなことを感じてきたか、その中で本作の主人公がどんな存在だったか、タイトルに込められた意味も興味深いものがありました。

 今回『波伝谷に生きる人びと』のファンも参加し、これまでで最多の人数になりましたが、是非次回以降も継続してご参加いただけますと幸いです。

 というわけで、また次回を楽しみにお待ちください!


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