みやぎシネマクラドル代表の我妻です。6月13日（土）に行われた第1回参加者発表会の様子を報告させていただきます。

　「わたしにとってのドキュメンタリー」というタイトルで行われた今回の発表会ですが、まずは私、我妻和樹が撮影前に3年・撮影に3年・編集に3年と完成までに延べ9年を費やした映画『波伝谷に生きる人びと』(2014年)の製作経緯を映画のパイロット版（ショートバージョン）・予告編などを上映しながら振り返り、製作における葛藤などをお話しさせていただきました。

　次の発表では、小原啓さんが津波で子ども3人を失った石巻のご夫婦を追いかけた作品『あの日から...』(2015年)を上映し、難しい題材に作家としてどう向き合ったか、ドキュメンタリーを撮ることが主人公夫婦にどのような影響を与えたのかなどをお話ししていただきました。長年TVディレクターを務めてきた小原さんの語りには深い重みがあり、参加者はもちろんのこと、一緒に発表させていただいた私の方も勉強になることが多かったです。

　計9名の参加者による今回の発表会では、発表者と参加者の距離が近く、自然といろんな質問が出てきました。まとめのような締めくくりはとくにありませんでしたが、撮影者と撮影対象の関係性、映像に作り手のどのような思いを込めるかなど、ドキュメンタリーに関する活発な議論が交わされたように思います。気づけばあっという間に時間が過ぎて、みんなに「参加して良かった」と言ってもらえたのが嬉しかったです。

　こんな感じで無事終了した第1回参加者発表会ですが、すでに次の発表も決まっております。詳細は後日発表しますので、是非楽しみにお待ちください。今後も映像に関わる人・興味がある人が気軽に交流できるような環境を少しずつ整えていきますので、引き続きよろしくお願いいたします！