録音図書の新刊案内・メディアテーク録音図書ライブラリー紹介 平成22年8月号 録音図書の新刊案内とメディアテーク録音図書ライブラリーのご紹介です。新刊につきましてはご希望が多いため、1回の貸し出しにつき1タイトルのみの貸し出しとさせていただきます。なお、貸し出しリクエストの際には、「8月号新刊案内の何番」と番号でリクエストいただいても結構です。今回の新刊案内は、カセットテープ図書を3タイトル、デイジー図書を2タイトル紹介します。続けてメディアテークの録音図書ライブラリーの中から夏に関連した図書を6タイトルご紹介します。図書を聞き終わったあとは、テープは巻き取ってからお返し下さい。メディアテークのテープ図書にはA面の方のみ点字シールが付いていますので、シールが付いている方を上にしてケースに入れて下さい。 まず、カセットテープ図書から紹介します。 [小説・エッセイなど] 1.横浜異人街事件帖(よこはまいじんがいじけんちょう)  白石一郎(しらいしいちろう) 著  全5巻 約405分 柔術(じゅうじゅつ)は渋川流(しぶかわりゅう)、剣術は直心影流(ちょくしんかげりゅう)の達人、元江戸南町奉行所同心・卯之助(うのすけ)。度の過ぎた義侠心(ぎきょうしん)が災いし、同心を罷免(ひめん)された卯之助は、その後、開港まもない横浜で荷積みの差配をしていたが、与力・塩田の尽力により岡っ引として再び悪人を追いはじめる。 卯之助の活躍が爽快な時代ミステリー連作集です。 2.女性の品格 -装いから生き方まで-  坂東眞理子(ばんどうまりこ) 著  全4巻 約360分 社会や経済の変化の中で女性の職場進出も当然の今、専門知識を持つ有能な職業人を目指すだけではなく、厳しい経済社会の中で品格をもって生きてゆくにはどうすればよいか。暮らし方・装い方・言葉の話方などのハウツー的なもの、生き方や行動範囲にかかわるもの両方の指南書。長期にわたり、ベストセラー1位の話題作がついに登場。 3.夜鷹蕎麦十六文(よたかそばじゅうろくもん)  北原亞以子(きたはらあいこ) 著  全1巻 46分 初代志ん生(しんしょう)の弟子かん生と、女房おちかの人情噺(ばなし)。 次に、デイジー図書を2タイトル紹介します。 4.縮尻鏡三郎(しくじりきょうざぶろう)・上 佐藤雅美(さとうまさよし) 著  全1枚 8時間44分 順調な人生のはずだったのに、なぜか、出世街道をはずれ、番屋勤めになってしまった男。人からは、「しくじり鏡三郎」と呼ばれている。鏡三郎をとりまく人々が巻き起こす騒動や、番屋に持ち込まれた事件を通して、武士や町人など様々な人々の優しさ、切なさを感情豊かに描く。 5.縮尻鏡三郎・下  佐藤雅美 著  全1枚 9時間36分 鏡三郎は矢車屋(やぐるまや)のおりんと所帯を持ちたいと考えていたが、ある日、元上役の三枝能登守(さえぐさのとのかみ)から、莫大な損金(赤字)を出している長崎会所の実態を調べるよう頼まれた。舞台は江戸から長崎へ移り、話は南蛮貿易にまつわるからくりや、青い目の美女をめぐる恋模様なども絡めて展開する。 最後に、メディアテーク録音図書ライブラリーの図書をご紹介します。こちらは新刊ではありませんのでご注意ください。 今回は夏に関する図書をカセット2タイトル、デイジー4タイトルご案内します。 6.徘徊老人(はいかいろうじん)の夏  種村季弘(たねむらすえひろ) 著 全4巻  約360分 行ったきり、も悪くない。日常から発作的に脱走し、町中を徘徊する。頭の中では南イタリアやイスラームの聖地メッカにまで足を伸ばす。「人生居候日記(じんせいいそうろうにっき)」に続く"徘徊老人"の最新エッセイ集。 7.夏の約束  藤野千夜(ふじのちや) 著  カセット全2巻 約180分 ほんの少しだけ普通とは違う生き方をしていることで、痛みと優しさを持ち合わせている登場人物たち。そんな彼らが、世間の差別的な視線をやり過ごし、夏のキャンプを心待ちにしながら過ごす日常生活を描いた作品。温かい視点と、独特のほのぼの感が心をなごませる。 8.姑獲鳥(うぶめ)の夏  京極夏彦(きょうごくなつひこ) 著  デイジー全1枚 14時間24分 御典医(ごてんい)から続くという久遠寺(くおんじ)医院で起こった怪奇な事件。激しい口論の後、 鍵をかけて自室に籠もった婿はそのまま失踪し、 そのショックで倒れた娘はその後妊娠していることが判明したものの、 寝たり起きたりの状態で1年半、 子供が生まれる気配もないという。展開されるのは目眩く(めくるめく)"京極ワールド"です。 9.夏の災厄(さいやく)  篠田節子(しのだせつこ) 著  デイジー全1枚 17時間17分 東京郊外のニュータウンに突如発生した奇病は、日本脳炎と診断された。撲滅されたはずの伝染病が今頃なぜ?感染防止と原因究明に奔走する市の保健センター職員たちを悩ます硬直した行政システム、露呈(ろてい)する現代生活の脆さ(もろさ)。その間も、ウイルスは町を蝕み(むしばみ)続ける。世紀末の危機管理を問うパニック小説の傑作。 10.ノモンハンの夏  半藤一利(はんどうかずとし) 著  デイジー全1枚 13時間53分 参謀本部作戦課、そして関東軍作戦課。このエリート集団が己を見失ったとき、満蒙(まんもう)国境での悲劇が始まった。司馬遼太郎(しばりょうたろう)氏が最後に取り組もうとして果せなかったテーマを、共に取材した著者が、モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静(どうせい)を交えて雄壮(ゆうそう)に描き、混迷の時代に警鐘を鳴らす。 11.百日紅(さるすべり)の咲かない夏  三浦哲郎(みうらてつお) 著  デイジー全1枚 13時間48分 歯科医院で働く二十歳の姉と、自動車修理工場で働く十七歳の弟。父の死、母の出奔により別々に育った姉弟が十年ぶりに再会したその年、北国は百日紅の咲かない寒い夏を迎えていた。怪しげな商事会社の暗躍、それぞれのどうにもならない愛情問題、お互いの心の奥底の欲求...育まれた悲劇の芽は次第に大きく育ち、巨木となって二人に襲いかかった。北国の姉弟(きょうだい)の悲しい運命を静かに描き上げる三浦文学の新しい結晶。 録音図書の貸し出し 電話022-713-4484