サンフランシスコ 1

サンフランシスコ 1


<メール>今ミネアポリス空港です

Wed, 27 Nov 1996 01:09:11 +0100

ただいまミネアポリス空港午後6時です。ここは完全に雪が積もっています。NYからSFへの飛行機は航空会社の不手際とサンクスギビングの影響で、結局 NYで5時間以上足止めをくい、便も3転4転した上今ミネアポリスにいます。このあと、2時間後くらいの便でサンフランシスコに向かう予定。でも本当に行 くのかどうかちょっと信じられない気分です。もちろんこんな思いをしているのは私だけではないので、あんまり言うのも何ですが。ただこちらも頭に来てだい ぶ怒鳴ったり泣きついたりしました。こういうときに英語がちゃんとできればよかったとつくづく思います。
このメールはミネアポリス空港にあったFAXとパソコン用の端末から送っています。
皆さんも無事サンフランシスコに到着できるよう祈っていてくださるととってもうれしいです。

(写真)


上へ


<メール>

サンフランシスコに到着しました

Wed, 27 Nov 1996 02:02:47 +0100

おかげさまで現地時間26日午後11時、日本時間27日午後4時頃無事サンフランシスコに到着しました。
一時はまったくどうなることかと思いましたが....
ホテルに着いたら、サンフランシスコでさまざまなNPOの活動を取材されている岡部さんがお待ちくださっていました。岡部さんの強力なサポートをいただけることになり、成果の方も乞うご期待!!
ただそろそろ帰国してからの仕事も念頭におかなければならないので体力をあまり消耗してしまわない程度にがんばるつもりです。
あしたはさっそくCATVでの市民活動を訪問。一部は中日新聞の方も一緒です。

ところでこのホテルはサンフランシスコの最高級ホテル!!!!!
日本ではビジネスホテルという話だったのですが、来てびっくり、です。最高級ホテルに泊まってNPOの取材というのもちょっとはばかられるなあなどとよけいな心配をしています。
接続もまったく問題ありません。msnの使用料だけを考えればいい環境です。とはいっても日本ではmsnは高くてとってもかえないんですけどね。

とりあえず到着のご報告まで。御心配おかけしました。

(写真)


上へ


<メール>サンフランシスコ通信です

Fri, 29 Nov 1996 09:53:14 -0800

サンフランシスコも2日目をすぎました。昨日は岡部さんといっしょに、まず中央図書館の地下にあるCATVの自治体番組チャンネルと、次にCATV会社であるTCIの中にあるパブリックアクセスチャンネル(市民が番組を制作)、そして夜はそこでの番組収録(レイバーヴィデオプロジェクト・労働問題を扱う番組制作活動)に立ち会いました。

アメリカのCATVは Public Education Govenment にチャンネルを提供することが義務づけられており、それらをまとめてPEGチャンネル(それぞれが独立する場合と一緒の場合がある)という制度があります。それぞれの番組制作はCATVの会社が行うのではなく、それぞれにNPO組織を設けて実施しています。
Gチャンネルは中央図書館のAVラボを兼ねているとともに広報番組だけでなく例えば消防士のための教育番組なども制作しています。

Pチャンネル(パブリックアクセスチャンネル)は、TCIが場所を提供する形で行われており、さらにTCIの技術スタッフが市民への研修 ワークショップを行ったり技術サポートを行っています。隣にはTCI本来のスタジオがありましたが、Pチャンネル用の古い設備との差は歴然たるものでし た。Pチャンネルは中央図書館の方に移管される話があり、Pチャンネル担当マネージャーとして雇用されている若い女性の責任者は首になる可能性があると話 していました。
一方Gチャンネルのスタジオはまだ設備が入っておらず、どうやらそこらへんの整理ができるまで見合わせということのようです。

かたやクビの可能性に脅かされるマネージャー、かたや設備の予算化を待つマネージャーという利害相反する二人に一日のうちに会ったというわけです。NPO 活動の不安定な側面を象徴しているのかもしれません。ただ、それでも彼らは行政や会社組織に組み込まれることに甘んじようとはしないようです。多少の問題 があってもあくまで自分の信じることややりたいことを貫く人生を求めています。そうしたアメリカ人のエネルギーがNPOを支えているのかもしれません。

レイバービデオは隔週の番組で、制作にあたっているのはすべて市民ボランティア、番組の進行を勤めるゼルツァー氏の日本人の奥さんは、ここ で研修を受け現在はこの番組のディレクター役をてきぱきとこなしていました。この日はサンクスギビングの関係で録画でしたが、通常はライブで放映している とのこと、まったくプロ顔負けです。プロの人も活動に賛同してボランティアとして来ますが、その場合は研修はなしだそうです。

これらの人々にメディアテークについて説明するとなぜか口裏をあわせたようにBeautiful Projectという言い方で非常な興味を示していました。ヨーロッパでもそうでしたが、世界中どこに出しても「美しいプロジェクト」であることを本当に 大切にしていかなければなりません。それがメディアテークを育てていく原動力に他ならないからです。

その間、サンフランシスコ中央図書館の見学も行いました。この話は来週館長とあえることになったのでそれとあわせてご報告します。

今日は、NPOの取材に来ている中日新聞の安藤さんも交えて、いくつかの市民ボランティア団体が共催する外国人労働者のためのサンクスギビングパーティを 見学、来る人も招く人もくったくなく楽しそうにやっていたのですが、労働者たちにごちそうを盛りつけるボランティアの人々の姿が日本では経験することので きない光景でもあり、胸が詰まるようなショックを受けました。岡部さんにこのことを話したら、ボランティアにしたってマイノリティの人たちがやってるよう なもので、あくまで相互扶助の催しだとのこと、その後のアステカ民族舞踊のアトラクションに楽しそうに加わっていた労働者たちを見ているうちにショックも 和らぎました。ヨーロッパでのハイレベルのメディア活動とはひと味もふた味も違うアメリカ体験のスタートとなりました。
ただやはりここでも最後に感じるのは「人の力」です。人の気持ちをどう引きつけコーディネートして活動を進めるかという当たり前ではあるけど、日本のお役所がともすれば忘れてしまいがちなことがらです。

ゲイの人を積極的に受け入れる街(カストロ通り)、ヒッピー発祥の地など、サンフランシスコならではの街を散策したあと、夜はフィリピン人2世のお宅のサ ンクスギビングパーティに岡部さんご一家といっしょに混ぜていただきました。一人で動いていたのではとうていできないような本当に中身の詰まった2日間で した。

(写真)

コミュニティTV(Gチャンネル)の責任者
Zane Blaney 氏と岡部さん
Blanley氏はサンフランシスコ情報化委員会の議長でもある

(写真)

右はPチャンネルマネージャー、左はその技術サポートをするTCIのスタッフ(8ミリビデオ)

(写真)

レイバービデオ番組収録風景
左端がスティーブゼルツァー氏(8ミリビデオ)

(写真)

てきぱきと作業をする和美ゼルツァーさん
(8ミリビデオ)

(写真)

カストロ通り
(あちこちに虹の旗が飾られる・8ミリビデオ)

(写真)
ヒッピーグッズ!?の店
私もカレンダーを買いました

前ページ 次ページ