資料

資料1 せんだいメディアテーク・プロジェクト検討委員会設置要項

(設置)
第1条 (仮称)せんだいメディアテークの事業計画を、より専門的な立場から多角的に検討し、今後の計画に盛り込んでいくため、(仮称)せんだいメディ アテーク・プロジェクト検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(任務)
第2条 委員会は、次に挙げる事項について協議する。
(1)新規事業、システム、ソフト等を含む事業の基本計画に関すること。
(2)新規設計及び建設、施設運営に係る助言に関すること。
(3)その他(仮称)せんだいメディアテークに関すること。
(組織)
第3条 委員会は、委員5名をもって組織する。委員会には、進行役としての座長を置く。
(任期)
第4条 委員の任期は、委員会の任務が終了するまでとする。
(庶務)
第5条 委員会の庶務は、教育局生涯学習課が行う。
(その他)
第6条 この要領で定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員会において定める。附則この要項は平成7年8月28日から施行する。


資料2 メディアテーク・プロジェクト検討委員会名簿

メディアテーク・プロジェクト検討委員会
<敬称略>

委員(座長)
菅野 實 東北大学教授(建築、地域計画・設計競技審査委員 )

委員
多木浩二 評論家
藤幡正樹 慶応大学助教授(グラフィックデザイン)
鈴木敏恵 横浜建築研究所教育システム部長
(文部省生涯学習クリエイティブ・アドバイザー)
桂 英史 東京造形大学(図書館学・情報学)

専門委員
澤井 清 宮城学院大学教授(図書館学)
新田秀樹 宮城教育大学助教授(美術、博物館学)
小野田泰明 東北大学専任講師(建築計画学)

コーディネーター
鈴木 明 建築・都市ワークショップ

事務局
仙台市教育委員会生涯学習課

ヒアリング協力
北野宏明 ソニーコンピューターサイエンス研究所
木村健一 国立宮城工業高等専門学校文部教官(情報デザイン学)


資料3 プロジェクト検討委員会次第

●(仮称)せんだいメディアテーク第1回プロジェクト検討委員会 次第
日時:1995年8月28日(月)
会場:仙台市役所北庁舎4階第1会議室
1.開会(司会:生涯学習課長)
2.委嘱状交付
3. あいさつ(教育長)
4.議事
(1)メディアテークの考え方、事業計画上の課題等(生涯学習課長、佐藤主査)
(2)設計の考え方、設計上の課題等(伊東豊雄設計事務所)
(3)質疑・意見
(4)今後の進め方(企画係長)
5.閉会
●(仮称)せんだいメディアテーク第2回プロジェクト検討委員会 次第
日時:1995年10 月18日(水)
会場:仙台市役所東京事務所5階会議室
1.開会
2.報告
(1)前回委員会及びヒアリング結果のまとめ
(2)事業計画についての補足説明
3.議事
(1)委員会の進め方について
(2)事業計画における問題点の整理及び方向性の確認について
(3)基本計画における問題点の整理及び方向性の確認について
(4)利用者ヒアリング・市民懇談会について
(5)その他
4.閉会
●(仮称)せんだいメディアテーク第3回プロジェクト検討委員会 次第
日時:1995年11月27 日(月)
会場:仙台市役所東京事務所5階会議室
1.開会
2.報告
(1)利用団体等ヒアリング及びわいわいトーク(市民懇談会)について
(2)前回委員及び委員ヒアリング等のまとめ
(3)地元新聞での報道について
3.協議
(1)基本計画及び事業計画について
 .基本設計案と各スペースの使い方について
.ワークショップの考え方について
.事業の実現に不可欠な諸準備ついて
.その他事業コンセプト全般について
(2)報告書の作成について
.構成と盛り込むべき項目
.作業の進め方
(3)今後の日程について
(4)その他
4.閉会
●(仮称)せんだいメディアテーク第4回プロジェクト検討委員会 次第
日時:1996年5月22日(水)
会場:全共連ビル 1階 No.3 会議室
1.開会
(1)挨拶(生涯学習部長)
2.報告
(1)経過報告について
3.議事
(1)報告書の内容について
(2)報告書案のまとめ方について
(3)その他
4.閉会


資料4 討議内容の代表的項目


資料5 討議内容の要約

事業計画素案の検討

●論点:事業計画素案の問題点。『事業計画素案』は建築計画をチェックする 目的で作った。各施設機能の複合であ る。
◎「メディアテーク」という全体のプログラムを設定してから、個々の施設機 能、活動を検討しなおす必要がある。アクティヴィティ・ベースで書く必要性がある。
◎機能配分はダイアグラムとする。

せんだいメディアテークの定義

目的:芸術文化・生涯学習推進。たんなるサービスではなく情報化による「知の環境」に対応。知的探究の支援を行なう。都市機能として将来の活動も保障する。

●論点1:従来の施設機能(市民図書館、市民ギャラリー、視聴覚障害者情報提供施設)と新しい「メディアテーク」という全体施設概念の調停をどうするか ?従来施設の合築か、「メディアテーク」という新しい施設の中に、これらが吸収されるのか?
◎現時点では従来施設の機能を合築したもの。しかし、全体機能を「メディアテーク」という概念で一体として捉える。従来施設機能は当面保存されるが、将来的にはこれに統合されるものとする。
●論点2:開館時に「メディアテーク」の概念を実現できないとしたらどのようなプロセスで理想を実現するか?
◎既存施設、機能を包含し、それを変質させる<機能・仕掛け>が必要。2階 、6階のメディア機能(総合レファレンス機能、メディア・センター)がそれである。「メディア」をキイワードに活動を更新する。「メディアテーク」は発展するプロセスである。
◎ワークショップの活動概念は従来の施設本位による活動、タテ割り的な組織 の限界を超えるものとして重要である。
◎施設概念で仕切るのでなく、「メディアで仕切る」。
●論点3:地域性、市民施設としての根拠をどのように表現するか。
◎「メディアテーク」に対する市民一個人の位置付けをしっかりする。個人がメディアテーク中継点として活動を支える。シビルミニマムとしての公共サービスではない。
◎公共施設として都市機能の中に位置づけなくてはならない。ギャラリーホールを介して、あるいはネットワークのサーバを立ち上げ、施設の存在意義を地域 、市民にアピールする。

メディアテークの定義

●論点:「市民サービス」型か、「研究者、アーチスト育成型」か?
◎単なる市民サービスではなく「知的探求、知的活動の支援」。時間を経過して市民や社会に「文化」を発信することになる。
◎産業振興型ではなく、啓蒙、文化アシスト型である。 建築計画に関するもの
◎図書館の電子化ではなく、電子の図書館
◎サービス施設として3つの機能プラスメディアセンターを羅列するのではなく知的探究を支えにする。
●論点1:図書館◎既存の図書館機能は、メディア時代の弊害を起こす。
◎「ユーザーヴュー」によって「シビルミニマム」の発想を変える。「メディア環境そのもの」を提供する。
◎ブラウジング効果の強化◎閲覧室中央にあけた空間で独自のアクティヴィティを展開する。
◎「ライブラリー・コンソーシアム」によって特徴をだす。
◎データベース作成など、他の機能とリンクしてやるべき。情報管理のメタ組織の端末が図書館にあると考える。
●論点2:ギャラリー◎従来の活動を包含するが、すすんだ形式の芸術を行なう場。
●論点3:ギャラリー・ホール(1階)
◎「ショウケース」であり、内部化された広場であり、都市機能である。映像設備をおくべき。
◎独自のキュレーションが必要。
●論点4:メディア部門について
◎メディアテークの中心的活動部分。
◎アートセンターの呼称は問題あり。
◎2階は知的表現、6階は表象的表現。ワークショップと連動して高度なワー クショップを行なう。

機能、活動に関するもの

アクティヴィティ・ベースで事業計画をつくる。重要なのは施設の定義ではな くプロジェクトの固まりである。

●論点1:アクティヴィティの重要性、種類
◎アクティヴィティによるシミュレーションで施設や運営を検討する必要がある。
◎「コミュニケーション・エイド」、「ワークショップ」および「コラボレー ション」、「広報活動」の三種が重要な活動形態。
◎ネットワーク化された個人とのアクティヴィティをルーティン化することが危機管理にも有効。
◎バーチャルな都市環境の中における活動。
●論点1:ワークショップ
◎市民の情報環境に対する知的活動をサポートする
◎インタラクティブな生涯学習の環境提供
◎ミュージアムトークなど
◎ワークショップは施設概念ではない。施設内に分散化して活動する。バリアフリーの考え方は重要。
◎ボランティアが活動の中心
◎活動はオープン前から行なう。
●論点2:レファレンス
◎従来からの図書館機能ではできない。全体の機能とリンクし、ファカルティがいて成り立つ。ワークショップ化する工夫も必要。
◎2階のレファレンスカウンターは貸出カウンターではない。

組織、運営に関するもの

運営組織はなるべく早い時期につくる。少なくとも来年度から活動を開始する。

●論点1:設立準備組織来年度に外部からスタッフを交えた設立準備組織を発足、活動する。
●論点2:流動的な組織
運営
◎契約制のディレクタ、キュレータ は通常の公共施設の学芸員雇用システムに馴染むか?
◎固定的な運営組織ではなく、外部にあって活動を支えるコミッティ制。
◎流動性のあるディレクター制。
◎学芸員や司書に変わる肩書き。
◎プロポーザル・ベースによるアーティスト・イン・レジデンス(むしろ研究員と呼ぶ)などを取り入れる。
◎プロジェクトとプロジェクト・リーダー制。
◎キュレーターはテクニカル・サポート的。
◎ヴォランティアの位置付け。テンポラリーに人が関わる(ノン・プロフィッ ト)システムの検討。財政的なメリット。具体的なアクティヴィティで市民参加のシミュレーション。NPO, NGOの組織のスクラップ・アンド・ビルドを想定する 。
●論点3:人材のアイディア
◎スタッフを全員女性に。

具体的な事業案

(活動試案に収録、参照のこと)

委員会散会後の目標

●オープン前にすでに活動を行なう。ホームページなど。
●2年位かけてスタッフ教育をすべき。コンソーシアムなど。
●設計体制に盛り込むべきもの
●情報設備計画はプロジェクトチームを組むこと。

せんだいメディアテークの事業計画案の検討

1)館の目的(「素案はじめに」より)の検討
a)国際レヴェルの文化情報の蓄積と市民への提供
b)地域固有文化の創造、地域に根付いた人材の育成
2)事業案の検討仙台らしい芸術文化情報の蓄積と発信
a) 芸術文化に関わる情報の調査収集とデータベース化
b)展覧会、イベントの常設
、 企画展示市民が参加し創造し発信し発信者となるための支援
a)施設貸出事業
b) ワークショップ事業
c)生涯学習支援
d)出版、広報、ショップ事業
e)管理
21世紀型のメディアによる文化情報提供
a)情報提供システムの企画運営とデータ入力管理
b)総合レファレンス管理
c)図書館事業
d)映像・電子メディア情報提供
e) バリアフリーメディア情報提供
3)コンセプトについての検討
事業計画に関して
図書館からマルチメディアライブラリーへ
ギャラリーからアートセンターへ
メディア資料の収集、編纂
サービス型から参加型へ
施設の一体化
国際的な芸術文化振興
市民の文化活動支援と国際的に通用する自主企画
大衆性と専門性の両立
ソフト優位と人材確保の優位
管理運営の一体化


資料6 (仮称)せんだいメディアテーク設計競技応募要項より

メディアテークとは、感性のメディアとしてのアート、知性のメディアとしての図書や各種情報、そしてそれらが融合した新しいメディアとしての映像等を総合的に集積・提供するとともに、市民ひとりひとりが自ら創造し発信者となることを支援する、新しい時代の新しい都市機能空間をイメージするもの。
アートギャラリー関係
21世紀に向けて、メディアの進展を含めますます多様化するであろうアートの表現形態にみあった鑑賞、発表の場として、仙台市における美術文化創造の拠点とするとともに、本施設の基幹部分になる。
●展示部門
●ワークショップ部門
子供から大人までいつでもふらっと参加し、遊び感覚でアートやマルチメディアの創作体験ができる機能及び、施設のコンセプトに見合った造形創作講座、作家による公開制作などの活動を展開しうる開かれた空間機能。
◎ここでいうワークショップ部門はギャラリー関係だけではなく、本施設全体における、「作る」「学ぶ」「集う」といった機能を集約し、相互に活用することを想定している。
情報メディア関係
情報メディアの充実は未来の都市機能にとって欠かすことのできない重要な要素となる。情報として最大の質量を擁する図書はもちろん、映像などの電子化された情報をいかに蓄積し地域社会の財産としてより多くの人々に公開していくかは、本計画における基本的課題である。
●図書メディア部門
一般及び児童書(計15万冊)開架閲覧、新聞雑誌(400タイトル)ブラウジング、参考図書レファレンス等の機能。ブックディテクション採用。
●映像メディア部門
◎電子化された情報は今後ますますその存在意義が高まることが予想され、そうした未来を見据えた事業展開を考えている。特に情報化された美術及びメディアアート作品や、映像の世紀ともいえる今世紀の遺産として郷土を中心とした映像資料の収集、提供を行う。
●バリアフリーメディア部門
共用関係
●共用業務部門
約50名の職員および約20名のヴォランティアが共同で使用する執務拠点。
●共用部門
都市に開かれたオープンなスペースとして各種イベントも行われるエントランスホール・ロビー機能。なお共通部分の活用による各部門機能の効果的な展開も提案されたい。
建設後の運営計画について
(仮称)せんだいメディアテークの運営は、既存施設の運営形態にとらわれず 、一体的に行うことを想定している。運営計画の立案にあたっては、当選者と主催者、審査委員長、専門委員等の関係者が合意する基本設計案をふまえ、現実の 制度や予算の枠に配慮しながら望ましいあり方を模索していきたいと思う。