はじめに

せんだいメディアテーク年報2005をお届けします。

せんだいメディアテークは、ギャラリー、図書館、目や耳の不自由な方々への情報提供、映像メディアの資料提供及び制作活動支援の4つの機能を併せ持つ複合文化施設として、平成13年１月に開館しました。開館以来毎年100万人を超す方々にご利用いただくなかで5年が経過しましたが、メディアテークの、街に開かれた実空間とネットワークにつながる情報空間の双方にまたがる「公共の場」としての役割について、あらためて問い直される機会が増えてきたように感じます。

事業としては、これまで続けてきた写真史的企画の集大成ともなる「85/05」や、建築空間のデザイン性を最大限に活かすことのできた「プルーヴェ展」が行われる一方、地域内外の関係機関とのさまざまな連携事業が行われたことが大きな特色となります。「仙台芸術遊泳」は、仙台を中心とする美術館や大学間の連携によるアートプロジェクトの端緒を開き、「仙台映画週間」はさまざまな主体による上映企画の連携、さらに「ことばの庭」は、オープンスクエアを舞台にしてことばをテーマとした企画を市民と協同で作り上げるシリーズとして第1回が行われました。また「こどもの居場所づくり」事業に参加することで、従来弱かったこども対象の事業への取り組みが飛躍的に活発になったことも忘れることができません。

この年報を通じて、メディアテークの多面的な事業を全体としてご理解いただき、生涯学習の振興及び文化活動の支援に関心を寄せておられる多くの方々からご意見・ご指導をいただければ幸いです。